怜はなぜか倒れている男を力強く睨むと私の元に来た。

その眼は怒ったような色をしている。

怒られる…そう思って再び目を閉じる



ふわっ…と私の首と背中に回された腕。そして身体で感じる温もり。


そっか、私、怜に抱きしめられてるんだ。
いきなりのことだし、こんなイケメンにだし、普通はドキドキするもんなのに。

私はそんなことはなかった。むしろ安心して…


「怜、ごめんね…ありがとう」


ぎゅっと力を込めて抱きしめ返した。



すると少し身体が離れて、近い距離で目と目が合う。


ドキッ...さすがにこの距離には心臓は音をたてた。