こんな能力なんていらなかった—鳥籠の中の鳥は愛を詩う—




「ごめん、なさい……」


 謝る言葉は自然と出てきた。


「もう二度としないでくれ……お前がいなくなるなんて想像したくないんだ」

「……もう絶対しない」

「分かればいいんだ」


 お父さんはそのまま笑うとフィリアムの頭を撫でた。


「勉強はまた明日からやろうな?だから今日はゆっくりしてろよ」


 この時は元気良く返事をしたが、結局のところ五日を数えても再開はしなかった。



 その夜、お父さんの熱が上がり——そして、何日をすぎても下がらなかったからだ。