「……お前……!!」


「……え……」


たくさんの足音が路地に近づく音が聞こえ、

その人は仮面を付け、風呂敷包みと私を軽々と持ち上げてビルの非常階段をかけ上った。




「離して!誘拐!!」


「うるさい。瀬川伊緒。」




え……。

私の名前……なんで知って……




その人は特に息が上がるわけでもなく、ビルの屋上にたどり着いた。