紗夜は手術まで入院することになった。 教えてもらった病室に俺と新見さんは向かう。 病室には紗夜とおばあさんだけがいた。 「……さ……」 名前を呼ぼうとしたが、ためらった。 両手を握り、目をつぶっていたから。 紗夜はなんかの宗教を信仰しているらしかった。 時々家でもこうして静かに祈っている。 俺たちの視線に気付き、紗夜が顔をあげた。 「あ……。千歳、新見さん。」 少し静かめに話す紗夜が今にも崩れてしまいそうなほど弱々しくて、 優しい笑顔を儚いと思った。