「な、何?」


さっきビックリしたドキドキがまだ収まらない。



「思い出させた?」



私はコクリと頷いた。



「でも、悪いのはお前。

俺を焦らせたのはお前だから。」



焦る?




千歳は手首を離し、今度は手を握ってきた。



何?


なんで?




慌てる私を全く気にする様子もなく、

千歳は私を壁に追い込んだ。





「お前……腹立つ……」



「ハ?」



「化粧して、そんな服着て、髪まで凝って……」



「何?悪い?」









私のこと女として見てないくせに……。