「それならなおさら!

千歳くん誘って普段とは違う伊緒を見せるのよ!」


「えぇ~……」


だって千歳には毎日のようにこれを見せてるんですけど。



「いいからっ!行くよ!」



そして千歳の席まで無理やり連れていかれる。



「ねぇ、千歳くぅん」


美月の猫なで声。


私はすごくかわいらしいと思うけど、千歳は嫌そうな顔。



結局、千歳の風邪は数日治らず、

新見さんも仕事で帰ってこず、

陽は二人に会えなかった。



千歳の不機嫌はそれもある。



「今週の土曜日遊びに行かなぁい?」



「え……いや……」



やっぱり千歳は渋った。