「こっちこそ、家族団らんのところ悪いな。」
「何言ってんの?
千歳だって私の家族でしょ?」
家族……。
あまりにも「当たり前」って感じで言うから
なんとなく納得してしまった。
別に伊緒のことだから変な意味はないんだろうけど。
すごく、嬉しいと思ってしまった。
梨はみずみずしくて、おいしかった。
「今日、千歳がいなくて変な感じだった。」
「変な感じ?」
「うん。いつも一緒にいるから、別れると寂しいね。」
そういうこと、平気で言うなよな……。
「おい、帰んなくて大丈夫か?
陽たち心配すんじゃねぇの?」
もう22:00だ。
いくらクールでも、一応女だしな。
「あ、そだね。じゃあ帰る。おやすみ。」
「うん。」
伊緒は素早く出ていき、コツコツというヒールの音が響いた。
あれ……
ヒール音に被ってもうひとつ足音。
さっきまで聞こえなかったのに。
「………………」
気づくと俺は外に出ていた。



