あれ……でも、なんで鍵で開けないんだ?
そんなことをぼんやり考えながら、
ドアについている覗き穴から外の様子を見た。
そこには、ヒラヒラと手を振る伊緒が立っていた。
慌ててドアを開ける。
「伊緒っ!?」
「こんばんは。あれ、新見さんは?」
「いや……仕事で……
中、入って。」
伊緒は「お邪魔しまーす」と言いながら、
居間に入ってきた。
携帯を開くと、
『仕事明日までかかりそう。
ごめんねっ!』
という内容のメールが入っていた。
げ、なんだあのおやじ!
「熱下がった?新見さんいつ帰れるって?」
「あ……っと……熱は計ってないけど……。
新見さんは明日まで帰ってこないって。」
「もう……意味ないじゃん……。」
怒るかと思ったが、伊緒は珍しくクスクスと笑った。
伊緒は家から持ってきた体温計を俺に差し出した。
「計って?」
俺はおとなしく指示に従った。



