伊緒side





千歳が私を「紗夜」と呼んだあの日以来、



もう二度と私を紗夜さんと間違えることはなかった。





その事は嬉しくて、


でもどこか切なくて、胸が苦しかった。




もうすぐ11月になろうとしていたある日。



それは突然の話。