伊緒side
地震は苦手。
怖い。
私の力ではどうにもできないから。
いつも地震が来ると、一人で震えてた。
陽にも、お母さんにも、お父さんにも
気づかれないように。
私はお姉ちゃんだから、
心配させちゃダメだから……。
地震が続く間、千歳は私をずっと抱きしめてくれていた。
でも地震がおさまったのに、千歳は私を離す様子がない。
それどころか、より強く抱きしめられてる気がする。
「……大丈夫……」
「え……」
「今度は、俺も一緒に死んであげる。
もう二度と、独りにしたりしないから。」
死……ぬ……?
何を……
言って……
千歳の抱きしめる力が緩み、
私は千歳の顔を見ることができた。
ああ……
やっぱりそうだ。
「千歳、
違うよ?」
その言葉を聞き、千歳の目は私を見た。



