「なんだ?どうした、伊緒……」


伊緒のもとに駆け寄る。



「……っうぅ……ち……と、せ……きゃっ」



大きくなってきた揺れで、勉強机の上にある電気スタンドが床に落ちた。



泣いてるのか……?



地震が怖くて……?



あの、伊緒が……?




「おい……」



震える伊緒の肩に優しく触れる。



こいつは……こんなに小さくて弱々しかったか?


俺を抱き締めてくれたとき、

あんなにも居心地が良かったのに。



今の伊緒は俺を包むどころか、

自分一人だと崩れてしまいそうで……。







俺は伊緒を両腕で優しくだきしめた。