でもある日、生活は一変した。


毎晩のように借金取りが小さな家のドアをたたく。


どうやら父親はヤクザ系のところから金を借りていたようだった。




5歳の子供なんかを雇ってくれるところもなく、母さんの内職を手伝うしかなかった。



母さんは毎朝早くに仕事に出掛け、毎晩遅くに帰ってくる。

そして俺の作ったまずいご飯を食べながら、美味しい美味しい、と言って頭を撫でてくれた。


そして真夜中には延々とドアを叩き続けられる。






母さんは少しずつ病んでいった。