「……明日の夕方、迎えに来るって……」 陽はやっと声を出すと、部屋に戻っていった。 明日は土曜日だから明日を逃したら、今度東京に来れるのは一週間後になってしまうのだろう。 それにしたって…… 急だな…… 陽がいない毎日…… 考えただけで泣きそう……。 「何?電話。誰から?」 その時バラをいじっていた千歳が戻ってきた。 「お母さん……。陽、明日には九州に行っちゃう。」 「え……」 さすがの千歳も驚いている。