それはある一本の電話。 お母さんからだった。 『もしもし、伊緒?』 「うん。元気?」 『元気よー。陽は?』 「うん。陽も元気。」 『…………あのさ…… 伊緒、やっぱり一緒に住みましょうよ…… お母さんとお父さん、寂しいわ…… あなたはまだしも、陽はまだ5歳なのに……』 「え……」 一緒に住む、ってことは…… 私と陽が九州に行くってことだよね…… 千歳と一緒にいられない、ってことだよね……