家に帰り、食料品を冷蔵庫にしまう。
携帯の留守電には『もう少し長引く』という内容の新見さんのメッセージが残されていた。
裏社会の仕事はどれも危険が付き物だから、
泥棒にしても、情報屋にしても、
簡単には帰ってこれない。
「千歳……。」
「……何。」
「……やっぱり私、千歳の思っていることを聞きたい。
どうしてそんなに悲しそうなの?
話して。私も千歳を助けたい。」
「……お前に話したって分からないことだ。」
「……分からなくても悲しいね、って一緒に泣いてあげる。」
「………………。」
そうだな。
お前の純粋な笑顔は見飽きたから、
たまには泣き顔も見てみたい。