「その……ごめんなさい。」


佐々木先輩に向き直って言う。



「いや、俺も……なんか…ごめん」


「彼も……悪気があった訳じゃないと思います……。





だから……許して……っあげ……っう…」



あれ、なんで私泣いてんだ？



次から次へと流れる涙を必死にセーターの袖で拭う。



殴られて吹っ飛んだ体よりも


千歳が私以外の誰かを見ていたことが


痛かった。




なんでこんなにも悲しいんだろう。