そろそろ閉店の時間。
今日は店長も奥さんと過ごしたいということで、いつもより1時間早まらせて閉めることになっていた。
買い出しやゴミ捨ては、空いている時間に終わらしてあるから、あとは身仕度をして帰るだけだ。
「君たちは先に帰りなさい。僕も仕込みが終わったらすぐに帰れるから」
「わかりました。お疲れ様でした」
「じゃあ、お先に失礼します。店長、今日は頑張ってくださいね!」
なぜか力強くガッツポーズをする森さんに、店長は微笑んでいた。
店から出て、隣に向き直りお辞儀をする。
「お疲れ様でした。では」
とりあえずさっさと帰ろうと、頭を上げて反対側に歩き出す。

