嘘泣きの素振りを見せている森さんをほおっておいて、さっさとオムライスを運ぶ。




「お待たせしました。オムライスです」



ニコリともせず、静かにテーブルに置いた。



「おぉ、深雪ちゃん。いつもありがとうねぇ」



「いえ、こちらこそ」



仲良く向かい合って食事をしている山谷夫妻に、軽く会釈をしてスッと立ち去った。





そのままテーブルを拭く仕事を続行していると、視界の端が何やら騒がしくて。



…というか、うるさいなぁ、動きが。



仕方なくカウンターに足を運んだ。