「今日の景色見たら、絶対もう“イルミネーションなんて”って思わなくなるから」
「その意味不明な自信はどこから湧いてくるんですか」
「え、どこだろう。考えたこともなかったな」
空いている手で顎を触り、真剣に悩んでいる森さんの姿が、何だかとても笑えてくる。
「私結構頑固ですよ?そう簡単に考え方は変わりません」
「お。それは、変えられたときの手応えが楽しみだ」
隣から、“ははっ”と笑う声がきこえた。
あぁ、この空間意外と好きかもしれない。
ゆったりと流れるこの時間が。
とりあえず、森さんオススメの夜景とやらを楽しみにしてみようと思った。
「森さん、そっちの道は違います」
「あれ、そうだっけ?」
*END*

