「ここまでで大丈夫です。ありがとうございました」 左に曲がって、隣に視線を向ける。 「ダメダメ。ちゃんと家まで送るから」 って言ってもなぁ。 「あとはここを真っ直ぐで着きますから。だから大丈夫ですよ」 淡々と言う私に、眉尻を下げて心配そうな顔を向ける森さん。 「そう? ほんとに大丈夫?」 「はい。ありがとうございました。では」 綺麗にお辞儀をして帰ろうとしたとき、 「――――――深雪」