「深雪ちゃんの家ってどこら辺なの?」 「あそこらへんです」 とりあえず、左斜め前を指差す。 「アバウトだねぇ。因みに俺ん家は反対方向だな」 「誰もそんなこと訊いてません」 「ははっ。やっぱり深雪ちゃんは面白いね」 ぶはっと吹き出して、肩を揺らす。 何に笑ってるんだか。 森さんの笑いのツボはおかしい。