「今の貴方なら幼稚園レベルまでにはなったでしょう」
「………ん???」
「正直な所、あのような簡単な問題も分からないとは理解に苦しみました」
「……」
「幼稚園児でも分かりますよ??やはりバカは大変ですね」
「……」


(前言撤回)
(やっぱり)
(兄弟なんか)
(いらねぇぇええ!!!)


悪魔は銀縁眼鏡のレンズを丁寧に拭きながら、あたしをバカ呼ばわりし続けた。


あたしは自分の頭の悪さを呪うと共に、この悪魔が地獄へ落ちないかと思った。


(どうして)
(こんな奴と)
(生活しなきゃ)
(なんないの…??!)


「もう、出てってやるから!!」
「行く場所なんてないのにどこへ行くんですか??本当にバカですね」
「っっっ!!!」


(本当に本当に)
(大嫌いだ…!!!!)


あたしがこの悪魔と出会ったのは、ほんの数ヶ月前夜だった。