「水野さん」


「え、あ、先輩!?」


「迎えに来ちゃった。びっくりした?」


「はい、とても…!」


顔真っ赤。
緊張しているのが手に取るように分かる。


「じゃ、行こうか」


「は、はいっ」


さて、始めようか。






──────…


「へぇー、水野さんは甘いもの好きなんだ?」


「はいっ、特にショートケーキに目が無くて!
先輩は甘いものは好きですか?」


まずは緊張をほぐすように会話を進める。
話が出来なきゃ楽しむ算段もつかないしな。

まあ、こいつの単純さは良く分かった。
これだけで純粋だとか言ってたとしたら、あの幼馴染み君は相当滑稽だな。


「俺もショートケーキ好きだよ」

わざと甘さを含めて言ってやる。


「お、同じですねっ!」

と、明らかに嬉しそうに笑う水野さん。
順調順調。


そろそろここで切り込んでみるか。



「水野さんは、なんで俺のこと好きになったの?」


「え、と」


「喋ったことなかったから、気になってさ」


「…」



すると水野さんは、少し考えて、はっきりと言った。