それから、どれくらい経ったんだろう。
私は美紗に抱き締められたまま寝てしまった。
多分、安心したんだと思う。
…ここはどこだろう、ふわふわして、温かい…
ずっと、ここにいたい…
ピロリロリーン
ピロリロリーン
「…ん」
ピロリロリーン
ピロリロリーン
「あ、あれ?」
私は美紗の部屋にいた。正確には美紗の部屋のベットで寝ていた。
ピロリロリーン
ピロリロリーン
私の携帯が鳴っている。…あ、あった。…知らないアドレス?
でも最後のアドレスがとある有名携帯会社の形式だったので、勧誘では無さそうだった。
携帯を開き、メールを見ると、すぐに差出人が解った。
「み…」
光井先輩だった。なんでメアド知ってるんだろう…
内容は、ごめんね、それだけだった。
先輩は、謝罪をした。何故?先輩は何も悪くない。勝手に元カレの嫌な思い出を引きずって、関係ない人に重ねて、負い目を感じさせて。
「ごめんなさい…」
私は、先輩は何も悪くないです。とだけ打って返信した。
「…あ、林檎起きた、今日うち泊まっていきな!」
「いいの?」
「うん!…正直言うと林檎の家の駅乗り過ごしちゃったからさ。もう泊めちゃえ!ってね」
「はは、そーなんだ」
スウェット姿で部屋にきた美紗は髪が濡れていた。
美紗と一緒に階段を降りていると、思い出したように言った。

