「ねーね、林檎生徒会の人とさっそくできちゃったの?」
「は?」
「皆言ってたよー?朝校門で抱き合って…」
「ない!!違う!!」
抱き合ってって…、どのアングルからみたらそう見えたんだろう。
…まただ、先輩のことを思うと寒気がする
私の表情を見てか、美紗は少し気まずそうな顔をして、話を続けた。
「…その先輩で思い出しちゃったんだね」
「…うん」
私の手は震えていた。私は、いつまで男性に怯え続けるのだろう。
光井先輩に失礼だ。勝手に元カレと重ねて、怯えて、迷惑かけて。
すると、シャンプーの香りが鼻にかかった。
美紗が私を抱き締めていた。
「大丈夫。泣かないで、そんなすぐに変わらなくたっていいんだよ」
「…ごめん…っ」

