「…」

「…」


裕人が何か考えている素振りをしているので、黙って待つ。


「…メールしたんだよな?」

「うん…」


またもや沈黙。


「…ひとまず拭きな」

「へ?」

「あーもう…」


裕人は膝立ちをして、私の頬を乱暴にハンカチでなぞった。

終わると、ため息をつき、天を仰いだ。