「…」
「俺柚希にすげぇ嫌われてんだよね、…そんなに震えないでよ」
私は下を向きながら、陸の声を聞かないようにしていた。
陸は私の前にしゃがみこんで、私の顔を除きこんだ。
「…っ」
「…そんなに嫌だった?」
整った顔立ちで、馬鹿にしたような笑顔を見せる陸に、私は黙るしかなかった。
「入れてないからまだ良くない?」
「は…!?」
「あ、やっと喋った」
入れてないからまだ良くない…?無神経にも程がある。
すると、外から男女の集団が入ってくる音がした。
左右に別れる男女の声…。ここは女子トイレかな?
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