口を塞がれ、もう何も抵抗できない。ただ私はひたすらもがいていた。


「最近柚希といるでしょ?何、付き合ってんの?」

「なわけ…」

「え?なんだ、ならいいや、安心したよ」

「は?」


私は故障中のトイレの個室につれてこられた。男女どっちかわかんないけど、清掃員さんのお陰で綺麗だった。

蓋のしまった便器に座らされ、陸がドアの前にいるから、身動きがとれなくなってしまった。


「今日までずっとりんのこと考えてたんだ」

「…」

「会いたくても柚希がいて近づけなかったんだけどさ。柚希にこれ以上嫌われたくないし」