「いや、本当に違う…」

「解りました解りました…あ、もう五時…」

「何かあるの?」

「携帯修理引き取りにいかなきゃなんですよ」


他愛もない話をしていると、光井先輩のポケットに入っていた携帯が鳴り出した。


「あ、ごめんねちょっと待ってて……んだよ、…はぁ?無理だよ…って、ちょっと!」


光井先輩の対応からみて平野先輩かな?

先輩がげっそりした顔で私に言った。


「平野がさ、今日まとめた書類踏んづけて破いたらしいんだよ…」

「え」

「明日提出だから今戻って書き直せって…」

「じゃあ私いきます…」

「八幡さん携帯行かなきゃだよ」


忘れてた…

光井先輩は困っているみたいだ。そんな先輩に迷惑はかけられない。


「先輩大丈夫です、行ってください。」

「あ、そう?…ってダメダメダメ」

「家近いし大丈夫です!先輩に迷惑ばかりかけたくないんです!」


すると先輩は心配そうな顔から安心したように、


「…ごめんね」

「いえいえ、頑張ってください!」


先輩が走って学校に戻る。その背中が見えなくなったのを確認してから歩き出す。

生徒会って大変なんだなー…。普段仕事は見れないからわからなかったけど、雑用として入ってからよくわかるようになった。