光井先輩にお前って…。先輩ですよ?

お姉さんと裕人の部屋は階段を挟んで隣にあるので、壁に耳をつけようと何も聞こえない。


「…どうしよ」


何をしてればいいんだろう…。漫画よんでいいからといわれても…。

裕人のお姉さんは漫画大好きで、部屋は漫画だらけだった。

お姉さんのだし読むのも申し訳無いし…


「!!」


新刊!まだ買えてないやつ!


「…」


読んでいいっていわれたもんね。

その後、普通に戻った裕人が呼びに来るまで私は漫画を読みふけっていた。


「光井先輩だっけ?帰したから。」

「あ、そう。」


裕人の話によると、学校帰りに友達にお酒を飲まされたらしい。


「まぁ、俺あんま酔わないタイプだな」

「は!?」

「普通だったろ?」


返す言葉もない。私は呆れて階段を降りる。


「あ、帰る?」

「うん」

「ティラミスあるけどいる?」

「いる」


私は裕人の部屋に戻った。

裕人はティラミスを取りに下の階へ降りていった。