「学校から駅まで、駅からうちまでおんぶしてってくれたの光井先輩なんだよ」
「え…」
「あの後保健室来てね、今日生徒会無いからっていって。ずっとおんぶしてってくれたの」
また迷惑かけちゃったな…
「なんで…こんなに心配してくれるんだろう…」
「ふふ、さあね」
可笑しそうに笑うと、美紗はそれ以降この話はしなかった。
今日の学校の話、好きな音楽の話、今期のドラマの話…
その日は夜中まで話をしていた。
「ふふ、…もう2時だよ!」
「ほんとだ、寝よっか」
「おやすみ」
「おやすみ…」
美紗が寝たのを確認すると、私は小さくありがとう、と呟いた。

