わすれなぐさ 本当のすき。


おはよー

口々で、そんな声が聞こえるようになってきた。

「佐奈、おはよう!」

後ろから声がして振り返ると、

美佳子ちゃんがいた。

思わず、さっきの怖さに安心して、

涙がでそうになってしまったが、

必死に止めて、あいさつをした。

「佐奈?なんか元気なくない?なんかあったの?」

さすが、美佳子ちゃんは鋭いな。

「なんもないよ」

バレないように笑うと、私は、前をむいた。

そう?と小さな声で聞こえたけど、

そのまま聞こえないふりをしていた。