「そうだな、例えば…」

小川は新聞をテーブルの上に置く。

「三浦、お前が非番の日に、外出して一般人の友人と飲みに行ったとする。その友人は、戦術自衛隊員であるお前の仕事に興味津々で、いつも使用している戦術自衛隊の兵器について質問する。『お前の使っている銃は、他の国の軍隊の銃とどう違うんだ?』と。酒の入っていたお前は、つい友人に説明してしまう」

「まぁ…ありそうな話ですね」

頷く谷口 誠(たにぐち まこと)一等陸士。

「だがその時点で、特殊秘匿保護法案に抵触する事になる」

「ええっ?それだけでですか?」

麗華が目を丸くした。