おはよ。
心の中で一人つぶやき、リビングに向かう。
今日はダブルデートの日当日!
私は支度を済ませると、家を出た。
着いたのは、駅前のおっきなデパート!この中に映画館が入っている…らしい。時計を見るとまだ待ち合わせ時間の一時間前。
早く来すぎたかな?
でも…、
「おっはよー!」
虹穂が元気良く駆け寄ってきた。
「おはよ。早いね」
「まあね。昨日のうちに服決めといて良かった〜。おかげで今日はメイクだけで済んだ。それよりセツナ、あんたそのかっこはないよ」
「そ、そう?」
普通にジーンズにTシャツにダウンなんだけどな。
「まだ時間あるから中入ろ?」
「うんっ!」
私達はデパートの中にある洋服店を沢山回った。
「あった!あんたにピッタリの服」
彼女が持ってきたのはフェミニンなシフォンのワンピース。
しかもピンク!
「た、確かに可愛いね。けど、私これ着れない」
だってこの服、虹穂が着てるのとかぶってるもん。
虹穂はピンクのフリルのワンピースに白のファー付きコート。
私に出されたのはシフォンのワンピースと白のニットカーディガン。
「大丈夫。セツナが思ってる以上にセツナは可愛いよ」変な褒め言葉ありがとう。結構慰めになった……気がする。
結局私はワンピースに着替え、メイク用品店でお試し用のメイクをして待ち合わせ場所に戻った。
「おっ、来た来た!」
「本当だ〜」
「わっ、セツナちゃん可愛くなってる」
「本当だ可愛いね」
そう言ってニコッと微笑む冬樹、かっこいい〜。
やっぱり私、冬樹の事好きなのかな?
佳ちゃんいわく好きなんだよね。
冬樹はどうなんだろ。
今日佳ちゃんに聞かなきゃ。
「よしっ!行こ〜」
これで映画館ダブルデートがスタートした。
この後、何が起こるか知らずに……。