だから、さようなら。
そう言いたいんでしょ。
下手な言い訳。
「私、一応高校生だよ?そんな言い訳信じるわけないじゃん」
「俺だって離れたくないし、こんな下手な嘘はつかないよ。…でも、もうちょっとでこの身体も、元の彼に戻ってしまうんだ。だから、だから、さようなら…」
やだ。
聞きたくないよぅ。
彼は私から離れると思いきや、私に近づくと、ゆっくりと優しいキスをした。
とろけるくらいの甘いキスを…。
ずっと欲しかったこのキス。
もっと欲しかったこのキス。
でもこれが冬樹とする最初で最後の甘いキス。
最期にこれってズルいよぉ〜。
でも、
「…さようなら…」
また会えることを期待しない。
本当の本当のさようなら。
ありがとう冬樹、サンタさん。
私は人生で一番幸せな時を過ごせました。ありがとう…。