夏休みも終わり、気づけばまたクリスマスが近づいていた。
「夏休みが終われば、今度は冬休みだね。って事は、クリスマスももうちょっとだよね。クリスマスと言えば、恋人だよね〜」
そうだよね。
もうちょっとで冬樹と出会って一年か。
今年のクリスマスはいい日になりそう。
だって冬樹が一緒だもん。
ホワイトクリスマスとか。
…ロマンチックすぎ〜。
冬樹は楽しみなのかな、クリスマス。
私は冬樹に聞こうと冬樹の方を振り向いた。
冬樹は笑顔…と思いきや、かなり険しい表情をしている。
どうしたのかな。
「冬樹、どうしたの?」
「えっ?あ、なんでもないよ」
よかった。
冬樹、いつもみたいに笑った…と思いきや、なんだか顔が引きつっている。
やっぱり冬樹変。
しんどいのかな?
そっとしておこ。

冬樹はあの日以来、クリスマスが近づくに連れて、表情が険しくなっていった。
それに、佳ちゃんとも話さないし、私が声をかけても、まるで上の空。
学校を休む日もでてきて、次第に私と冬樹の距離がぐっと遠ざかった気がする。
「最近冬樹どうしたんだろうね」
虹穂が心配気に聞いてきた。
「わかんない。このままクリスマス過ごせるかな」
本当に不安だった。
冬樹が消えちゃいそうで…。
冬樹の不登校は続いた。
今日も明日も明後日も、もう冬樹は来ないのかな。
プリントなどを渡しに家を寄るけど、出てくるのは冬樹のお母さんばかり。
会わせてと言っても断られて…。
とうとう冬休みに入った。
ここからしばらくは冬樹と会えなくなるだろう。
って事は、クリスマスも………。
そして来てしまったクリスマス・イヴ。
ますます明日が不安になった。
その時、
ピロン♪~
一通のメールが来た。
誰からだろ。
………冬樹…?
『今日の夜、会いたい。』
嘘っ!
冬樹からメールが!
勿論だよ。
会いたいよ。
私はすぐに返信した。
『勿論だよ』
『よかった。十一時に海にね』
よしっ!
おしゃれしなくっちゃ。
私は虹穂のお気に入りのコーデで化粧もバッチリ決めた。
この後、何が起きるか知らずに…。