僕は、ベク。パンジーだ。

ある日、僕は、この店に沢山の仲間と仕入れられてやって来た。

なのにあいつったら、僕の事ひっくり返しちゃってさ・・・・・・・・・。

僕もここまでか・・・・・・・って『死』を覚悟したよ。

死、なんて笑うかもだけど、僕達、花にとっては土も光も水も生きるのに大切な事だからさ。

したら、あいつ必死で僕の事面倒見てくれて・・・・・・・・・・。

いいやつだなって・・・・・・・・・・・・。

そのお蔭もあって、僕は、日に日に元気になっていったんだ。

そして黄色い立派な花を咲かせる事が出来たんだ。

あいつも凄い顔して喜んでくれてさっ・・・・・・

んで僕は、僕は、あいつに恋しちゃったんだ。

あいつの名前はチャニョル。

僕は、毎日水をくれるチャニョルに

『チャニョル。ありがとっ。大好きっ。』

ってめっちゃ笑顔で言ってるつもりなんだけど、伝わってるかな?

ホントチャニョルって面白いからさっ。チャニョルを見てると1日があっという間にたっちゃうんだ。

夜は、チャニョル帰っちゃうから寂しくて、泣きそうになっちゃうこともあるけど、次の日が待ち遠しくて・・・・・。

でもさ、あいつさ・・・好きな人いるみたいなんだ。

彼女が店に来ると、めっちゃ嬉しそうで、いつもと全然違うの。

「チャニョリさん」とか呼ばれちゃって、浮かれてんなよ。

バカ。チャニョリさん。

なんかモヤモヤしちゃって、ちょっとだけ花萎ましてやったのに・・・・・・・・

全然気付かないんだ。

バカ・・・・・・・・・・・・。

でもさ、次の日になると、またいつものチャニョルで『お早う。パンジーちゃん』とかいってくるから、僕は嬉しくなっちゃって

『チャニョル。お早う。大好きっ。』

ってなっちゃうんだよな。

けどなんか悔しい・・・・・・・。

でさっ日に日にチャニョルと話して見たいなぁって気持ちが大きくなっていったんだ。

したらある日、チャニョルが

『俺告白するわ』とか言い出して

僕、ショックだった・・・・・・・・。

だから、決めたんだ。

チャニョルが告白する前に、チャニョルと話したいって夢叶えようって。

僕達花は、1回だけ人間になることを神様から許されてるんだ。

ただ二度と花として存在出来なくなってしまうけど・・・・・・・・・・・。

それでも僕は・・・・・・・・・・・・・・・

ある日、僕は、勇気を出して店の前に立ったんだ。

案の定、チャニョルが出てきて声をかけてくれた。

あ~やっと大好きなチャニョルと話す事が出来て、僕は、嬉しくて震える手をぎゅっと握った。

チャニョルは直ぐに店の中に戻っていった。僕は、暫く外で花を見るふりをしながら、チャニョルを見てた。

花を世話するチャニョルはホントに優しい顔をしてた。

あーやっぱりチャニョルはいいな。

僕は、思いきって店の中に入った。

『あの~・・・・・・・・・』

それからチャニョルは僕の話を聞いてくれて、幸いお客さんも居なかったからたくさん話す事が出来たんだ。

そして僕は、告白したんだ。

突然の事でチャニョルは目をまんまるくして驚いてたね。

けど僕の本当の気持ちなんだよ。

いつもいつもチャニョルを見てたんだよ。

好きな人が出来たんだなってわかった時は、嫉妬もしたよ。

僕だってチャニョルのことこんなに思ってるのに届かないなんて・・・・・凄く悔しかった。

どうして僕は、花で人間じゃないのかなって・・・・・・・・・・。

でも今日願いが叶って、いっぱい話す事が出来て



ーーー僕満足だよ。ーーー



『チャニョルの幸せを祈ってる。今までありがと』


僕を大切に思ってくれてありがと。



そうして僕は、花びらを零れ落とした・・・・・・。




~~fin~~