君想歌


『キミが嫌い』


吐き捨てるように
吉田に言われ
ぺたんっと座り込む。


夢だ。

夢だって
頭で分かってる。


一歩離れた場所から
自分を見ている感覚は
幾度も経験してきた。


背を向けて去っていく
吉田を呆然と見ながら
泣いた。


『栄太郎……栄太郎!!』


いつか。

けっきょく。


結果はこうなるのか?



皆、愛想を尽かせて
私の前から去る。


お願いだから。

お願いだから……。


“一人にしないで……”