君想歌

でもアイツには。

ミツには好いた男がいて
叶わない恋だったんだ。


ミツの困った顔なんぞ
見たくねぇ。


笑ったミツの顔が見たかった。


たとえ距離が離れていても
好いた女が泣いてるなんて
こっちまで悲しくなる。


「和泉は好きな男がいる。
そこに割り込んで幸せを崩す。一番やっちゃなんねぇ。
一歩離れた所で笑えるように
してやればいーんだよ」


俺が誰を重ねているか
思い当たったのか総司は
目を見開いている。


そしてほわりと何時ものように
柔らかい笑みを浮かべた。


「分かりました。
フラれた者同士二人で
仲良くしましょう」


誰がフラれただぁっ!!と
俺が総司に噛みついたのは
言うまでもない。