君想歌

長く紫煙を吐き出し静かに
総司に俺は体を向けた。


「お前ぇ。
和泉のこと好きだろ」


ぼんっ。

そんな音が聞こえそうなくらい
赤く顔を染めた沖田は必死に
言い訳をする。


「ちちちち違いまっす!!
あ、あんな女の子嫌いです!」


噛んでるぞとは突っ込まない。


だがな、

「諦めろ。
和泉に気持ちを打ち明けるのは
止めろ」


煙管を指で挟んだ俺の脳裏に
浮かぶのはやっぱりミツだ。


好きだったんだよ。
俺はミツが。