君想歌

僅かに頭をあげて和泉の手に
鼻先をすりよせるセンを再度
撫でる。


ちりん、と音をたてた鈴の音は
よく部屋に響く。


言わなくても良い、と
言うかのように。

センは和泉の袖を噛み
枕の隣に欠伸をして伸びた。


「明日、京を案内します。
総司も一緒ですから」

「楽しみだわ」


しばらくするとミツの寝息が
小さく耳に届く。


センを布団に引き入れ
和泉も目を閉じた。


寝息が落ち着くまでの間
ずっとセンの尻尾が頬を
撫でていたのを和泉は知らない。


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