君想歌

そんな人を殺した。

その事実は変わらない。


「私、その大切な人を。
自分の手で消しちゃいました」

ミツが戸惑う気配は無い。

「なのに居てほしいなんて。
とんだご都合主義ですよね」


ごそごそと布団に入ってきた
黒い物体は鈴を鳴らす。


鼻先を掠めた毛並みは柔らかく
砂糖らしき甘い匂いがする。


「うわわっ!!ミツさん!!」


「え?和泉ちゃん?」

センのせいで上手く布団から
出ることが出来ず。


そしてくしゃみを連発する。


「あ!猫ちゃんっ」


ミツが持ち上げたセンは
嫌そうに足をバタバタ動かす。


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