君想歌

後ろから小さな足音が聞こえ
黒い肢体を抱き上げる。


叶わない願いなんだ。


――稔麿と一緒に居たい。


なんて。


幾度となく声にした願いは
闇に溶けて消えてしまう。


「にゃぅ…」


知らず知らずのうちに
センの身体を強く抱いていた。

「和泉。何やってんだ。
冷えるぞ馬鹿」


冷たい廊下に裸足で立つ和泉に
後ろから声が飛ぶ。


「早く部屋、戻りましょ」


ミツと土方は話が終わったのか
二人揃っていた。



聞かれてしまった…だろうか。

センが和泉の腕から土方の方へ
跳躍し腕に収まる。


不満そうな顔をした和泉だが
ミツを待たせる訳には、と
踵を返した。


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