君想歌

流れるような軽い動きで
音と気配で攻撃を避ける。

和泉は木刀の剣先を
後方に向け一気に振り上げた。


「っ!!」

がんっと鈍い音がする。

土方の木刀が和泉の攻撃を
防ぐ形勢に試合は変わった。

この暗闇の中どうして
土方の動きが読めるのかが
幹部たちは不思議でならない。

今の状況は明らかに土方が
和泉に押されている。


「っく!!」

和泉の木刀が頬を掠め
土方は唇を噛んだ。


「姉ちゃん、頑張りや〜」


のほほんとした口調で
声援を送るのは山崎。

山崎が暇な時に暗闇でも敵に
対応出来るように和泉は
練習していたのだ。


「てりゃぁぁあ!!」

胴を狙ってきた木刀に
助走をつけて飛び乗った
和泉に開いた口が塞がらない。

こんな荒業が出来るのは
山崎か和泉だけだろう。