君想歌

いつもより遅く朝餉後に戻った
和泉に誰も理由を尋ねようとは
しなかった。

律儀に和泉の帰りを待っていた
山野に感謝しつつ共に食べる。
食べ終わった頃を見計らってか欠伸をしながら土方が和泉を
手招きした。

「てっめー。
朝から大変だったんだぞ」

土方の部屋に招かれた和泉。

開口一番そう言った土方の
気持ちも理解できる。

ぐっちゃぐちゃに散乱した部屋。

「総司の奴が朝から……。
適当に和泉に仕事を頼んだって
言えば質問攻めだぜ」

吉田の墓参りを黙認してくれた
土方に感謝する。

さぞかし沖田を宥めるのは
大変だっただろう。

「悪い悪い。
部屋の片付け手伝うから」

「いや、どうせ散らばる。
ほっとけ」

土方はそういうと文机から
文を取った。

「和泉、お前宛だ」


渡された文。

差出人は吉田稔麿。



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