君想歌

「やっぱりそうでしたか」


落ち着いた声の持ち主は
和泉の背後に歩みを進めた。


「いつも欠かさず花が
備えてあったんで。
予想通りでした」


入れ違うように和泉と悠は
吉田のもとにやって来ていた。

今日は沖田に呼び止められ
偶々時間が重なった。


「来てたんだ」

「当然です」


悠は和泉の背を見つめる。


しゃがんだ和泉の身体は吉田と
居た頃より細くなっている。


「私、自己犠牲心って嫌いだな」

肌寒いのか袖に両手を入れて
話し出す和泉。

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