君想歌

朝日が昇る前に起き出し
着替えを済ませる。


酒のせい頭が痛い。


だがそれは自業自得としか
言い様がない。


廊下から聞こえた控え目な
足音に動きを止めた。


「あ……早いですね」

「総司こそ」


空いた襖から顔を覗かせた
沖田に間が悪いと小さく
溜め息をついた。


唇に乗せようとしていた紅は
小指に残る。


「こんな朝早くから外出ですか?」

「そう」


沖田の問いに短く答えると
立ち上がった。

「何しに行くんですか?」


稔麿の墓参り、なんて
言えるはずない。


幸いだが着流し、横結いの髪。

任務に当たっていない時の
和泉の格好だ。


「ちょっと、ね」


さらりとはぐらかした和泉は
沖田の隣をすり抜けていった。

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