君想歌

だんだん重くなってきた目蓋に
逆らわずに目を閉じる。


「姉ちゃん。
ここで寝たらあかんって」


遠くに山崎の声を聞きながら
完全に和泉の思考は闇に落ちた。


「……寝てしもうた」

山崎は呆れたように漏らす。

「ほっとけ。後で運べば良い」

ぐっと酒を飲み干した土方は
羽織を雑に和泉に掛ける。


「山崎、長州の動きは」

「だいぶ軍勢が京の方に
向かっているらしいです」

今日の情報収集では久坂玄瑞も
戦に参加すると聞いた。


「そうか。
あ…もう無くなりやがった」


空になった瓶をひっくり返し
土方は漏らした。


酒代の半分は和泉に請求だ。


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