君想歌

土方、山崎、和泉。


昼間の熱が残る屋根の上に
並んで座る。


「呑まねぇのか?」


空を見上げていた和泉に
土方が酒をちらつかせる。


「呑む」


少しずつ呑むはずの和泉が
一気に酒を煽る。

「あれが北極星なんだって」

「どれだ?」

「あれ。
船を操舵する時、目印にする星」

稔麿が冬の夜、教えてくれた。

星空を見上げると必ず
北極星を探す。

見上げれば立ち止まってしまう。


土方も山崎も北極星を見ている。


和泉は普段の倍の速さで
無意識に飲み進める。


酔いが回るのが速い。


かたりと置いた杯は空っぽ。


ようやく自分がかなり沢山
呑んだことに気付いた。


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