君想歌

着いてこなくて良い、と
言ったものの。

栄太郎は壬生寺まで和泉を
しっかり送り届ける。

彼は屯所までじゃなかったら
良いんだよね、と真横にある
壬生寺まで着いてきた。


「和泉!!」

暗がりの中で屯所の門に
もたれ掛かった沖田の姿に
足を止める。

こちらが反応するよりも
早くに彼は走ってきて。

身長を合わせてじっと
見つめてくる。


「いきなり飛び出して行くし、
帰りも遅いし!!
心配してたんですよっ」

一気に捲し上げるように
話す沖田にあははと乾いた
笑いを漏らす。


土方の部屋に行く前に沖田は
和泉の部屋の前を通ったが
中途半端に閉められた
押し入れと全開になった襖。

加えて置きっぱなしにされた
刀に驚いたのだ。